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若紫三回目

(原文)このゐたる大人、「例の心なしの、かかるわざをしてさいなまるるこそ、心づきなけれ。
(現代語訳)そこにいた女房が「いつもの分別がない者がこのようなおこないをして、責められるとは、本当に気にくわない。
(原文)いづかたへかまかりぬる。
(現代語訳)雀はどちらへ行きましたか。
(原文)いとをかしうやうやうなりつるものを。
(現代語訳)たいそうだんだんかわいくなってきましたのに。
(原文)烏などもこそ見つくれ」
(現代語訳)烏などが見つけたら大変です。」
(原文)とて、立ちて行く。髪ゆるるかにいと、長く、めやすき人なめり。
(現代語訳)と言って、立っていく。髪はたっぷりとしていて、感じのよい人のようだ。
(原文)少納言の乳母とぞ人いふめるは、この子の後見なるべし。
(現代語訳)少納言の乳母と人が呼んでいるらしいので、この子の世話をしている人なのだろう。
(原文)尼君、「いで、あな幼や。いふかひなうものしたまふかな。
(現代語訳)尼君は「さあ、ああなんと幼いこと。言ってもはじまらないほどですね。
(原文)おのが、かく今日明日におぼゆる命をば、何ともおぼしたらで、雀したひたまふほどよ。
(現代語訳)私が、今日明日とも知れぬ命なのに、何ともお思いにならないで、雀を恋しく思っていらっしゃることよ。
(原文)罪得ることぞと、常に聞こゆるを、心憂く。」とて、
(現代語訳)生き物をいじめるのは罪つくりなことといつも申しているのに、残念なことです。」と言って、