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雨夜の品定め、頭中将が夕顔を語る一回目

「雨夜の品定め」頭の中将の夕顔語り。

(原文)「なにがしはしれ者の物語をせむ。」とて、
(現代語訳)頭の中将は「私はばか者の話をしましょう。」と言って、
(原文)「いと忍びて見そめたりし人の、さても見つべかりしけはひなりしかば、
(現代語訳)「たいそう内密に会うようになった女が、そのままでも、付き合っていけそうな様子だったので、
(原文)ながらふべきものとしも、思うたまへざりしかど、馴れゆくままに、あはれとおぼえしかば、
(現代語訳)長続きするはずの関係と思いはしませんでしたが、慣れていくにつれて、かわいいと思われたので、
(原文)たえだえ忘れぬものに思ひたまへしを、さばかりになれば、うち頼める気色も見えき。
(現代語訳)とぎれとぎれになっていながらも、忘れられない者として思っていましたが、それほど深い仲になると、私を頼りにする様子も見えました。
(原文)頼むにつけては、うらめしと思ふこともあらむと心ながらおぼゆるをりをりもはべりしを、
(現代語訳)私を頼みにしていることに関して、とぎれとぎれの訪問を恨めしいと思うこともあるだろうと、私の心ながら思うことも時々ございましたが、
(原文)見知らぬやうにて、久しきとだえをも、かうたまさかなる人とも思ひたらず、
(現代語訳)女は気がつかないふりで、長い無沙汰も、こんなにたまにしか来ない人とも思っていないで、